知らないと損する!採用コストを把握することで得られるメリット

採用コストを把握する重要性を解説する記事のアイキャッチ画像。計算機とパソコンを使いながら採用費用を検討している様子をイメージしたデザイン。

採用活動にはお金がかかります。でも、そのお金が「どこにどれだけかかっているか」を正確に把握している会社は、意外と少ないのではないでしょうか?

採用コストを知らないまま活動を進めると、こんな問題が起こりがちです。

  • 無駄な費用をかけてしまう。
  • 成果が出ても「何が成功の理由か」が分からない。
  • お金をかけるべきところに投資できず、結果的に採用活動が停滞する。

でも、ここでお伝えしたいのは、採用コストを1円単位できっちり計算する必要はない、ということ。ざっくりでもいいんです。採用コストをある程度把握するだけで、無駄を減らし、より良い採用活動のヒントが見つかります。

目次

採用コストに含まれる主な項目

中小企業の採用コストは一般的な目安として、新卒採用では1人あたり約93.6万円、中途採用では約103.3万円とされています。(出典:リクルート「就職白書2020」

自社の採用コストを知る第一歩は、何にお金がかかっているかを知ること。以下は、採用活動でよく発生する主な費用項目です。

1. 求人広告費

求人サイトへの掲載料やSNS広告の運用費、紙媒体の広告費など、求人募集に直接かかる費用です。プランや期間によって金額は変わりますが、年間10万円から50万円程度になることが多いでしょう。

2. 採用担当者の人件費

採用活動を行う担当者が費やす時間も、見落とされがちなコストです。応募者対応や面接日程の調整、求人原稿の作成などにかかる時間は意外と多いもの。この時間分の給与も採用コストに含まれます。

3. 面接関連費

面接時に発生するコストもあります。たとえば、

  • 応募者の交通費補助
  • 面接会場の手配費用
  • 面接官の拘束時間

遠方から来る応募者がいる場合は、宿泊費なども考慮する必要があります。

4. エージェント手数料

中途採用でエージェント(企業と求職者をつなぐ仲介サービスを提供する会社や個人)を利用する場合、年収の20〜30%を成功報酬として支払うケースが一般的です。年収500万円の人材を採用する場合、100万円〜150万円程度がかかる計算になります。

5. 新人研修費

採用後の新人教育も、忘れてはいけないコストです。入社初期の研修プログラムや外部講師の招へい、教材費など、業務に馴染むまでにかかる費用がこれに該当します。

6. 定着支援コスト

採用して終わりではなく、新人が職場に馴染むまでのフォローにも費用がかかります。メンター制度の運用やフォローアップ面談など、定着率を上げるための取り組みもコストとして考えておくべきです。

採用コストを把握することで得られるメリット

採用コストをある程度でも把握しておくと、次のようなメリットがあります。

1. 無駄を発見し、コストを圧縮できる

求人広告に大きな予算を割いているけれど、成果があまり出ていない場合、他の手段に切り替えることで無駄を省くことができます。たとえば、SNS広告や地域密着型の媒体を使うなど、よりコスパの良い選択が可能になります。

2. 予算配分の目安がわかる

採用コスト全体を知ることで、「どの程度まで広告費にかけられるか」など、具体的な目安がわかります。金銭的な不安が軽減され、採用活動に自信を持って取り組めるようになります。

3. 採用活動の効果を最大化できる

どの施策が成功につながったのかが見えるようになるため、次回以降の採用活動の改善に役立てられます。また、経営層への報告もスムーズになり、必要な予算を確保しやすくなります。

採用コストを知ることが採用成功につながる理由

採用コストを把握することで、「どこにお金を使えば効果的か」が明確になります。無駄な費用を抑え、適切な施策に集中できるようになると、次のような成果が期待できます:

安心して採用活動を進められる

採用活動において、金銭的な不安があると、企業として「本当にこの施策にお金を使って良いのか?」と迷いが生じてしまいがちです。この迷いがあると、費用をかけるべきところでの投資をためらい、結果として効果的な採用活動ができなくなる可能性があります。

例えば、「広告費にこれ以上の予算を割くべきか」「高額な採用エージェントを利用するべきか」など、判断を求められる場面で、採用コスト全体の把握ができていないと、どれが適切な選択か見極めが難しくなります。

一方で、自社の採用コストをざっくりでも把握していると、以下のような状態を作り出せます。

  • 費用配分の適切な基準が持てる
    → どの程度まで広告や採用施策に費用を充てるべきか、目安が明確になります。
  • 迷わずに判断できる
    → 「これだけ費用を使っても全体の予算内で収まる」と安心できるため、決断がスムーズに。
  • 採用活動に集中できる
    → 金銭的な不安がなくなることで、費用対効果を意識した効果的な施策に注力できるようになります。

結果的に、採用活動が「不安」ではなく「投資」という前向きな姿勢に変わり、必要な人材を適切なタイミングで採用するための行動が取りやすくなります。採用コストを知ることは、単なる数字の管理ではなく、安心して採用活動を進めるための基盤となります。

成果を出す採用施策を選べる

採用活動で成果を出すには、どの施策が効果的かを見極め、限られた予算を適切に配分することが重要です。しかし、採用コスト全体を把握していないと、「どの施策が本当に成果を出しているのか」が分からず、採用活動が行き当たりばったりになりがちです。

たとえば、次のような状況が考えられます。

  • 高額な求人広告を利用しているが、応募者数が思ったほど増えない。
  • 手軽に始めたSNS広告が意外にも応募数を伸ばしているが、それがどれだけのコストで実現しているか分からない。
  • 採用エージェントに依頼したが、費用に見合う効果が得られたか不明。

採用コストを把握していると、これらの施策ごとの費用対効果を明確にし、次のような判断が可能になります。

  • 高コスト低効果の施策を見直す
    → 成果が少ない高額な広告や施策を削減し、無駄を省くことができる。
  • 低コスト高効果の施策に集中する
    → 成果が出ているSNS広告や地域密着型の取り組みに予算をシフトすることで、効率を最大化できる。
  • バランスの取れた施策を組み合わせる
    → コストと成果のバランスを見ながら、多様な施策を適切に組み合わせることで、採用の幅を広げる。

さらに、採用コストを正確に記録することで、データに基づいた選択が可能になります。たとえば、「1名採用するのに必要な費用は約100万円」「SNS広告では応募1件あたり1万円のコスト」などのデータを持っていると、次の採用活動でも効果的な施策を選びやすくなります。

このように、採用コストを知ることは、成果を出すための施策選定に欠かせない基盤となります。数字が見えることで、「どれが最適か」を判断しやすくなり、採用活動の成功率が飛躍的に高まります。

採用計画が長期的に立てやすくなる

採用活動を効果的に進めるためには、短期的な施策だけでなく、長期的な計画を立てることが欠かせません。しかし、採用コストを把握していないと、次のような状況に陥りがちです:

  • 毎回「とりあえず募集をかける」といった場当たり的な対応になってしまう。
  • 採用にかかる全体コストが見えないため、予算計画が立てづらい。
  • 年度ごとや事業計画に応じた採用目標が曖昧になり、経営方針との整合性が取れない。

一方で、採用コストを把握していると、次回以降の採用活動に向けた明確な計画を立てやすくなります。以下にその具体的なメリットを示します。

1. 必要な予算の見積もりができる

過去の採用コストを参考にすることで、「どれくらいの予算が必要か」が見積もれるようになります。例えば、「1名の中途採用には約100万円かかる」と分かっていれば、事業拡大の計画に合わせて必要な人員数を考慮し、適切な予算を設定できます。

2. 採用時期を適切に計画できる

採用活動にはピーク時期があるため、タイミングを逃さない計画が重要です。コストを把握していれば、「年度末に5名採用するために、どの時期に広告を出すべきか」「予算に合わせて採用を分割すべきか」といった具体的なスケジュールを組むことができます。

3. 採用の目標設定が明確になる

採用コストを把握することで、目標に基づいた計画を立てやすくなります。例えば、「今年度中に5名の若手社員を採用し、研修費用を含めた全体予算を500万円に抑える」という具体的なゴールを設定することで、採用活動が効率的になります。

4. 経営方針に合わせた採用戦略が立てられる

長期的な採用計画を立てることで、経営方針や事業計画との連携がスムーズになります。事業の拡大や新規プロジェクトの立ち上げに必要な人材を、適切なタイミングで確保できるようになります。

まとめ:採用コストを「知らない」は損につながる

採用活動を成功させるためには、自社の採用コストをある程度でも把握しておくことが重要です。
採用コストを知らないまま活動を進めると、無駄な費用をかけてしまったり、効果的な施策を見極められなかったりと、非効率な状況に陥る可能性があります。

本記事では、採用コストに含まれる主な項目を明らかにし、その把握がもたらす具体的なメリットを解説しました。
求人広告費や採用担当者の時間、人材定着支援のコストまで、見えていなかった項目を知ることで、次のような成果が期待できます:

  • 金銭的な不安が軽減され、採用活動に自信を持てるようになる。
  • 効果的な施策に予算を集中させ、無駄を省ける。
  • 長期的な採用計画が立てやすくなり、経営戦略との連携がスムーズになる。

また、1円単位で正確に計算する必要はなく、ざっくりでも把握することで十分に改善のヒントが得られます。採用コストの「見える化」は、採用活動をより効率的で効果的なものにするための第一歩です。

まずは、自社の採用活動にどれくらいのコストがかかっているのか、そしてそのコストがどのように成果に結びついているのかを確認してみてください。採用活動における不安を解消し、前向きに取り組める基盤を作ることが、採用成功への近道となるはずです。

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